まあなんていうか、旅好きヘタレの単なる日常記録。

アラサー男子による日記。備忘録。自己満。的な何か。たまに旅メモ。

今日読んだ本12 『薬菜飯店』

これまで筒井康隆氏の作品は気にはなっていたが、読んだことはなかった。

 

薬菜飯店 (新潮文庫)

薬菜飯店 (新潮文庫)

 

 

少し身構えていたが、全体的に文章構成は平易で読みやすい。

難しい表現や言葉を使っている箇所も特にはない。

この本の題名の作品が冒頭に収録されているが、他にもいくつかの作品が内容されており、飽きることなく最後まで読めた。

 

氏の作品は今回初めて読み、また氏についての情報を前もって全く持たずに臨んだので、先入観はない状態だった。

 

物語はある特定の人物を中心に突然始まる。最初はそれがどんな人で、今その人の周りがどんな状況なのかを推測することにエネルギーを使うが、やがてランタンで壁を照らしたときのように、だんだんと話の絵が頭に浮かんでくる。

しばらく読み進めると突然、氏の特有の表現というのだろうか、なんというかある程度これから先の展開が読めたなと想像したものの更に上を行く話が展開され、読めば読むほどに彼の世界に引きずり込まれていく。

この本に収録されている作品に限ってかも知れないが、汚物や性、グロテスクを描写するシーンがいくつも登場した。しかし、読み終わった後、なぜかスッキリするから不思議である。

 

他の作品も今後読んでみたい。